質量欠損現象から導いた物理,宇宙構造

 
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 第3章.私説の新物理法則の構築       


 この章の概要と結論    
  慣性質量の保存則を提唱。通常の質量エネルギー保存則との最も大きな
                   差異は能動的重力質量≠受動的重力質量 である場合もあるとしている
                   ところ。
                   この点は定説と大きく異なるが、下記の思考実験を矛盾無く説明するため
                   には、この考えを取り入れざるを得なかった。間違っていれば教えて下さい。

   3次元空間では下式の慣性質量が保存される。→慣性質量保存則

   慣性質量m=質量項+エネルギー項 =m0(T/T0)+E/c^2  → 
一定 
     


                 
 ※m0:真の質量=能動的重力質量
                  ※ m:慣性質量=受動的重力質量
                  ※(T/T0):時間速度比  T0: 外部観測者の時間  T : 観測対象物の時間
                  ※質量項とは4次元時空間に存在する真の質量m0の3次元空間断面    
                  ※エネルギー項は (その物質が持つエネルギー)/C^2。
  


   慣性質量 m=受動的重力質量m(重力場で力を受ける)

   真の質量m0=能動的重力質量m0(重力場を作る)
 

◎エネルギー項も慣性質量mを持つ。 m=E/c^2 つまり3次元空間では総慣性質量が保存される(不変量)。

◎真の質量m0の慣性質量は3次元空間では保存されない(時間の速度に依存)。しかし能動的重力質量(重
   力場を作る能力)は厳密に保存される。4次元時空間ではm0が厳密に保存される。

◎この宇宙全体で考えると、エネルギー項は電磁波などの形で光速度で拡散し、逃げて無くなる事が多い。
   それに対して質量項は速度も遅く重力場で拘束もされやすいので残留する。

   そのため能動的重力質量(=真の質量)はこの宇宙にとどまるが、受動的重力質量しか持たないエネルギー
   は飛散消失していくため、この宇宙は能動的重力質量よりも受動的重力質量の方が小さくなっており、この
   傾向は将来も引き続き拡大する。


**







    

本論による物理法則のまとめ


◎法則 1.
真の質量m0 が重力場を作る。                          論理的証明

◎法則 2.
エネルギーには慣性質量,受動的重力質量がある。             論理的証明

◎法則 3. 重力場などで質量項が減少するのは時間が遅れるためである      論理的証明

  

 3-1.消えた質量の行方                              

結合エネルギーに相当する質量が消えるが、結合により消えてしまった質量はどこにいったのか?以下はこの疑問に対するここでの解釈。

この世界は3つの空間軸と1つの時間軸からなる4次元時空間と理解されている。すると3次元空間の物体(質量)とは4次元時空間の時間軸断面と解釈される。

外部観測者からみて質量欠損が起こったということは4次元時空の時間軸断面が減ったということである。しかし少なくとも4次元時空間での真の質量が減少したわけではない。結合により時間軸が伸び(固有時間が遅れる)4次元での体積(質量×時間)が保存されるために4次元時空の時間軸断面である3次元空間の慣性質量が減少したものと考える。

我々が認識する質量は3次元的存在である。→質量=(縦×横×高さ)×密度であり時間は含まれない。

真の質量は4次元時空での値が保存される。例えばある人物(体重60kg,寿命70年間)を4次元的にみれば、体重60kg×70年間の4次元体積をもつ。そしてそれの時間軸の断面が3次元空間での60kgという質量として観測される。

もしこの人物が巨大重力の星に降り立ち、その落下過程で(30kg×c^2) の重力エネルギーを得、それを外部に放出したとする。すると外部観測者から見ると彼の時間の進行が半分になり、体重が半分になったと観測される。

この人物の座標では体重は変化しない。しかし外部観測者の座標では質量は4次元時空での体積が一定にならなければならず、時間進行が半分になれば寿命は 140年になったと観測されるから、これの3次元断面である質量(体重)は半分になる。(図参照)


 


もし観測者に対して物体が時間軸方向に伸ばされると時間軸断面である質量は減少し、無限に伸ばされたとすれば物体の慣性質量はゼロになるだろう。質量が欠損する、また極端な場合には質量が消失する、そして再びエネルギーを加えると質量が現れる、という現象はこのように理解するのが合理的。

物体の固有時間の比率  T/T0=(mA+mB−Ef/c2)/(mA+mB)

Ef:放出した結合エネルギー  T:物体の固有時間   T0:外部観測者の時間

この物体の固有時間が遅れる、という現象は重力結合においてはよく知られている。他の結合、例えば原子核の結合などにおいても、この時間遅れが起こっているとしなければ論理の一貫性が無くなる。

結合の状態として、一般的に不安定ではあるが結合エネルギーがプラスの値をとる場合がある。この場合には結合により時間が進む(早くなる)事になる。

  

  
 3-2.これまでの内容の法則性を整理し、論理的証明を加える              


 証明のための思考実験装置  





まず内側ボックス内について考察する。

結合力(重力)により発電モータを回して物体Aと物体Bが近づいていくと、そのポテンシャルエネルギーが上側ボックス内から電気エネルギーとして取り出されていき、内側ブラックボックス内の質量は減少していく。(ゆっくりと結合させていくので運動量は無視できるとする)

バッテリーは理想的な効率100%の蓄電池であったとする。すると内側ブラックボックスから取り出されたエネルギーはバッテリーに蓄えられ、その質量が増加する。この増加量は当然の事ながら上側ボックス内で減少した質量分と厳密に等しい。

(結合エネルギー)=(mA+mB)c^2 の条件下ではついに上側ボックス内の質量はゼロになる。

内側ブラックボックスからは質量は何も出入していない。流出したのは発電モーターを動かすという運動エネルギーのみである。エネルギーそのものには質量は無いが、バッテリーは蓄えられたエネルギーに相当する慣性質量が増加する。これはエネルギーに質量があるかの様に観測される。

慣性質量と受動的重力質量は厳密に等しい。そのため、バッテリーは内側ブラックボックス内の質量が作る重力場に向かって慣性質量が増加した分、より強い加速度を受ける様になる。

つまり定説とは異なるが、ここでは能動的重力質量は「真の質量M0」に宿り、受動的重力質量は慣性質量に宿る事になる。

しかし、ここで内側ブラックボックスの慣性質量がゼロに近いとし、バッテリーは大きな慣性質量があるとすれば、両者が重力で引きあうと、動くのは主に内側ブラックボックスということになる。



S1 


 1.真の質量m0 のみが重力場を作る作用を持つことの論理的証明





@


A



B


C


D


E





質量が空間を歪ませて重力場を作る、という事は定説として受け入れて良いだろう。しかしこれは「質量」と言ったのでは厳密には正しくなく、「真の質量m0が、- - -」である。

思考実験装置において重力結合エネルギーEf≧(mA+mB)×c^2 の条件下で、重力結合エネルギーがロープにより全て上側ボックス内から持ち出され、バッテリーに移動したとする。

すると内側ブラックボックス内の慣性質量はゼロになる。しかし真の質量が持ち出されたわけではないので、真の質量は内側ブラックボックス内に留まっているはずであり、従って重力場(能動的重力質量m0)も内側ボックス内に全て残っている事になる。

前記操作は基本的に可逆的である。バッテリーに移動したエネルギーで逆に発電モータを回し、内部の2物体mAとmBを引き離してゆけば、また上側ボックス内の慣性質量は元の値に戻る。

このとき重力結合を引き離すために強大な力が必要である。つまり質量がゼロに近い状態でも、そこには強大な重力場が存在していることになる。

これを合理的に説明するには、慣性質量がゼロであっても「真の質量m0」は4次元時空間に存在していたので、それにより3次元空間に重力場が作られていた、と説明できる。

本論の結論として下式を導く事ができる。

慣性質量m=質量項+エネルギー項 =m0(T/T0)+E/c^2 = 一定   

→慣性質量の保存則


注意しなくてはならないのは、質量項 m0(T/T0) m0のみが重力場を作る能動的重力質量であり、質量項の値よりもm0の方が大きい場合が多い。場合によっては質量項ゼロ(慣性質量ゼロ)でもm0が存在し、強い重力場が存在することもあり得る。

逆に周囲のエネルギーを集めてエネルギー項が大きくなったとしても慣性質量は増大するが、真の質量は変化せず、従って能動的重力質量は変化せず、重力場も変化しない。



S2 


 2. エネルギーには慣性質量,受動的重力質量がある事の論理的証明





@



A






B



慣性質量m=質量項+エネルギー項 =m0(T/T0)+E/c^2


思考実験装置において重力結合エネルギーEf≧(mA+mB)×c^2 の条件下で、時間速度比がゼロになり、質量項がゼロになったとする。すると慣性質量mが保存されるので、元の質量項全てに相当するエネルギーが発生し、それがバッテリーに蓄えられる。

上側ボックス内の質量が減ったり、場合によってはゼロになっても、真の質量は変化しない。そのため、上側ボックス内の重力場は変化しない。

このとき、エネルギーはバッテリーに移動し、その分の慣性質量がプラスされてバッテリー慣性質量が増大する。しかしエネルギーそのものには真の質量はなく、バッテリーの真の質量も変化しないので、このバッテリーの重力場を作る作用(能動的重力質量)には変化が無い。

慣性質量の増大したバッテリーは内側ブラックボックスの作る重力場により引きあう。このエネルギーを取り出す事も可能であるが3次元空間での総慣性質量が同じになるだけしかエネルギーは取り出せない。



S3 

 3.重力場などで慣性質量の質量項が減少するのは時間が遅れるためである事の論理的証明


@


A


B




思考実験装置で上側ボックス内からエネルギーを流出させると、上側ブラックボックス内の質量は確実に減少していく。

質量(スカラー量)が不変であるということは定説として受け入れて良い。すると真の質量は不変なのにも関わらず、この上側ボックス内で質量項が減少するためには別次元に逃げているとしか説明できない。

その別次元としてあり得るのは時間軸だと考えて良い。時間軸が伸びることにより、時間軸の断面である3次元空間で慣性質量が減少したように観測される。時間軸が無限に伸びると時間速度比T/T0がゼロになる。すると質量もゼロになる。



S4 


 4.ブラックホールの慣性質量がゼロになりうる事の論理的証明


@


A


B



C



D




思考実験装置で内側ブラックボックス内の結合力が重力であった場合、重力結合エネルギーEf≧(mA+mB)×c^2 の条件下で、質量項がゼロになる条件とブラックホールが出来上がる条件は等しい。

つまり内側ブラックボックス内にはブラックホールが出来上がる。するとこれには質量が無い。つまり理論的には質量がゼロで重力場だけあるブラックホールは存在し得る。

しかしブラックホールはその特殊な空間構造によりエネルギーも閉じ込める事ができる。通常、ブラックホールは生成過程でかなりの割合の重力結合エネルギーをその内部空間に閉じ込めており、それ相応の慣性質量を持つ。

ただしブラックホールの作る重力場(真の質量)から計算されるよりも、その慣性質量は小さい場合が多いだろう。これはブラックホールの生成過程で、重力結合エネルギーの10%を超えるようなエネルギーを外部空間に放出していると考えられ、この分の慣性質量が減少しているためである。

逆の事も考えられる。ブラックホールは宇宙空間の光などの電磁波を吸収する。これには真の質量が無く、慣性質量のみ有るので、これらを吸収し続けるとブラックホールの真の質量および重力場の強さは変化しないのに、その慣性質量だけが増大する。だから能動的重力質量よりも慣性質量(=受動的重力質量)の方が大きいブラックホールも理論上考えられる。




 考察


 5.慣性質量がゼロの物体の挙動についての論理的解説 mA=0,mB=0 の場合


@


A




思考実験装置で物体Aと物体Bは共に慣性質量ゼロ、真の質量がmA0,mB0の消失質量だったとする。
mA0≠0,mB0≠0  mA=0,mB=0

両者は慣性質量がゼロなので受動的重力質量もゼロであり、そのため重力場から力を受ける事は無い。従ってこの思考実験装置からはエネルギーは取り出せない。






 6.慣性質量がゼロの物体の挙動についての論理的解説 mA=0,mB≠0の場合


@



A

B



C




物体Aが慣性質量ゼロの物体で、物体Bが慣性質量のある通常の物体とする。すると物体Aと物体BはF=合成重力場の中心に向かって引力を受ける。この力は、物体Aの位置での合成重力場の重力加速度がgであれば、物体Aに働く力Fは
F≒mB*g

となる。しかしこの力は物体Aと物体Bの間に働く力でもあり、物体Bが受けた力と同じ強さでベクトルの方向が逆の同じ強さの力Fを受ける。これは一種の反作用である。

同じ力を受けた場合、運動し始めるのは慣性質量がゼロの物体Aの方である。物体Bは動かない。

もし両物体がロープでつながれているのではなく、フリーであったとすれば、物体Aは物体Bに引き寄せられることにより、重力結合エネルギーを得る。それにより物体Aにも慣性質量が生じ、今度は物体A,Bの慣性質量比により、それぞれの運動の仕方が決まってくる。つまり物体Bも動く様になる。

しかし重力結合エネルギーの全てがロープで外部に取り出されるという前提の前記思考実験では、エネルギーは全て物体Aの側からのみ取り出される。

しかしそれにより慣性質量は物体AとBの結合体としての総慣性質量が減少する。









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   用語の解説


慣性質量 m
受動的重力質量 m

両者は等しい。
 加速に対して抵抗する。
  F=ma
  重力場から力を受ける
    F=mg
  

真の質量 m0
能動的重力質量 m0

両者は等しい。
 重力場を作る能力。
 重力場 g≒Gm0/r^2

従来の一般論としては能動的重力質量と受動的重力質量は等しいとされている。

しかし本論では両者は別のものであり、能動的重力質量は真の質量m0に等しく、受動的重力質量は慣性質量mに等しいと結論した。

真の質量はそれの時間速度によって慣性質量が変化する。

真の質量の慣性質量が減少すると、それを補う様に減少分相当の慣性質量を持つエネルギーが発生する。

慣性質量の保存則

本論では3次元空間では慣性質量Mが保存されるとしている。

慣性質量=質量項+エネ項

→ m=m0(T/T0)+E/c^2

なぜ3次元空間で慣性質量が保存されるのか?

質量項→m0(T/T0)

真の質量m0に時間速度比(T/T0)をかけたもの。質量項自体の慣性質量は時間速度が異なると真の質量とは違う値になる。時間速度がゼロになると質量項の慣性質量もゼロになる。

エネルギー項→E/c^2

エネルギーもE/c^2の慣性質量を持つ。これは受動的重力質量に等しいが、能動的重力質量はゼロである。













観測事実とのマッチング


慣性質量がゼロの物体は受動的重力質量もゼロでなくてはならない。

観測により慣性質量と受動的重力質量は完全に一致することが確認されている。