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       電気理論      交流について

交流とは時間とともに電圧,電流の値や方向が変化する。60Hzの場合、1秒間に60回、流れる方向が逆転する。交流は一定の流れではないため、電圧値などを簡便に言い表すには時間で均した平均値を用いる事が考えられる。

しかし単純な平均値では直流における P=E・I などの電気の公式(オームの法則等)が成り立たなくなるので、これら公式が使える様に便宜上「実効値」というものを使う。これは電圧や電流値の二乗平均をとり、それの平方根で求められる。

実効値100vの交流電圧は、ある瞬間には最大√2倍(約141v)の電圧になる。また電圧や電流がゼロになる瞬間が1秒間に120回存在する(60Hzの場合)。

三相交流は3本の線に位相の異なる3つの交流電源を接続したもの。3本の線間電圧(相電圧)をみてみると、ある相がピーク電圧に達した1/180秒後に次の相がピークに達し、また1/180秒後に次の相がピークに達し、結果1/60秒間で一巡する(1回転する)。この三相交流の特性を利用すると、1秒間に60回転する回転磁界が簡単に作れるので簡単にモーターを作る事ができる。また同じ電線の重量ならば、より多くの電力を送電できる。

三相交流の場合の電力は線電流×相電圧×√3で求められる。

多くの電圧計や電流計は、その測定原理が平均値の測定であり、実効値の測定ではない。そのため、波形ひずみのない電圧の場合には正確な値を示すものの、電圧を位相制御でコントロールした場合のように歪んだ波形の場合には極端に大きな誤差が生じ、正しい値を示さない。このような歪んだ波形の電圧や電流の実効値を正しく測定するには「真の実効値型」といわれる測定器が必要である。なお、可動鉄片型といわれる機械式のメーターは原理的に真の実効値を示す。デジタル式の測定器は真の実効値型ではない場合が多い。

簡便なテスターは測定原理が平均値なので、例えば90°まで位相制御したAC100v電圧は50vを示す。しかし実際には実効値は約70vなので、実に30%も測定誤差が出ることになる。




        交流の公式
























周波数と周期の関係
電流の瞬時値と実効値の関係
正弦波電流の実効値
抵抗回路の電圧と電流の大きさとの関係
誘導回路の電圧と電流の大きさとの関係
容量回路の電圧と電流の大きさとの関係
LR直列回路のインピーダンス
RC直列回路のインピーダンス
LC直列回路の合成リアクタンス
LRC直列回路のインピーダンス
共振周波数
直列共振の電圧の拡大度
並列共振の電流の拡大度
記号法で表した誘導リアクタンス
記号法で表した容量リアクタンス
記号法で表したLRCインピーダンス
アドミタンス
コイルに抵抗のある場合の共振周波数
インピーダンスブリッジの平衡条件
交流回路の電力
力率
皮相電力,有効電力,無効電力の関係
記号法による交流電力の計算


平衡3相交流電圧

平衡3相交流の記号法表示

平衡3相Y結線の相電圧と線間電圧の関係
平衡3相△結線の相電流と線電流の関係
平衡3相交流の有効電力
平衡3相交流の無効電力
平衡3相交流の皮相電力





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