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      ヘリウム熱風加熱法について
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熱風加熱の欠点のひとつとして、加熱対象物の種類によっては風圧で吹き飛ばされてしまうという問題があります。


そこで吹き飛ばされにくいガスを検討してみます。同じ質量ならば水素は空気の約14倍の熱エネルギーを持つことが出来ます。この性質を利用して、高速回転する大型の発電機などは水素ガスで冷却されているのが普通です。同じ質量なら水素は空気の約15倍の体積となりますから、容積当たりの熱容量はほとんど同じなのですが、容積当たりの質量が1/15しかないので、発電機の回転に対して抵抗が少ないというメリットが大きいのです。


つまり水素は同じ速度で物体にぶつかっても物体に力を与えにくい、しかも単位体積当たりの熱容量は空気とほとんど同じ---ということであり、これを熱風加熱に応用すると吹きつけても吹き飛ばす力の少ない熱風が得られると考えられます。


しかし水素は危険でもあり、高温熱風の場合は空中に出た時点で発火してしまいます。発火すると温度のコントロールが難しくなりますし、水も生成されるので色々と不具合があります。


そこで水素に次いで軽い気体であるヘリウムガスを考えました。ヘリウムは質量当たりの熱容量が空気の約5.5倍。 同じ質量ならヘリウムは空気の7.5倍の容積を持ちますから単位容積当たりの熱容量は空気の70〜80%になりそうです。従って空気よりも多少流速が速くなるかもしれませんが、同じ熱量を運ぶのに要するガス質量は空気の1/5〜1/6で済むので吹き飛ばす力は大幅に低減しそうです。


実際にミニエアヒータ(100v-100w)を使いハンダを加熱する予備実験したところでは、やはり吹き飛びにくい様に感じました。今後定量的な本格実験を行う予定です。


   






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